身体表現にかかわるということは、私たちの健康や美しさ、若々しさに大きな影響を与えるのではないか。
そう感じたのは、大学時代から10数年にわたってかかわってきた演劇の中でした。歌や演劇といった色々な舞台芸術の中で共演した諸先輩がたは、その多くが実際の年齢よりもずっと若々しく見えたのです。
その一方で、同世代の友人たちの中には情熱の先走るあまり、無理のある発声や自分を追い込むようなトレーニングを行い、喉や体を傷め、舞台活動を休止あるいは引退した方もいました。
両者を見る中で、ある願いが生まれたのです。一生涯続けられる表現を提案したい。続けることで、自分が変化、成長してゆく実感の得られるものを作りたい。外面的な美しさではなく、自らの心をうつし出すような美しさを追及したい。
それが「うつし」というレッスンを作ろうと思ったきっかけです。
その方法として、和歌を朗読するという表現に着目しました。平安の時代に確立し、1000年の時を越えて今もなお詠み継がれる和歌は、日本人の美意識を描いた文学作品であり、声に出すことによって完成する表現芸術でもあります。さらに、日本最古の和歌集とされる万葉集は、性別、身分、職業を問わず、あらゆる立場の人々の歌が収められていることから、和歌を詠むということは、多種多様な思いを表現するということでもあるのです。
そもそも「息」「体」そして「心」は、それぞれ切り離すことはできず、互いに補い合い、循環し合う関係性を持っています。それらひとつひとつ別々にではなく、一体のものとして関わりたいという考えに端を発し、演劇を通じて得た身体表現の経験、それをケアするためのボディワークの知識、丹田から行う深い呼吸で、広がりのある伸びやかな声へと変わっていった感覚を、ひとつの繋がりとして提案したいと考えました。
難しい動きも、特別な器具も必要ないシンプルなメソッドは、いつでも、どこでも、自分の心をうつし出し、整え、穏やかにする一助となります。そして、生命活動の根幹を支える「息」を用いた表現にかかわることは、必ずや私たちの日常そのものをベースアップさせるものとなるでしょう。
【グループレッスン】
5回1セットのグループレッスンを行います。
第1回:6月3日/6月17日/7月1日/7月15日/8月5日
第2回:9月16日/10月7日/10月21日/11月4日/11月18日
午前11時~ 約1時間半
10,000円(税込)/全5回
初回時にレッスン費用を現金にてご持参ください。
【体験レッスン】
興味はあるけれどどんなことをするのか分からない、実際に一度やってみたい、というご要望に応えるため、カウンセリングも含めて約1時間程度で大まかなレッスンの流れを体験して頂けます。
約1時間
1,000円(税込)/1回限定
体験レッスン費用を現金にてご持参ください。
【場所】
ピタゴラスの手
〒108-0071 東京都港区白金台4-5-7サンストン白金台301
【定員】
6名(先着順)
【申し込み】
【お問い合わせ】もしくは【ituki.show@gmail.com】に下記必要事項を記載し送信ください。
グループレッスン
件名:うつしレッスン参加申し込み
1:お名前
2:参加を希望するグループ(第1回/第2回)
体験レッスン
件名:うつし体験レッスン申し込み
1:お名前
2:体験希望日時を第3候補まで記載してください。
お預かりした個人情報は、うつし関連の連絡のみに使用し、第三者に提供することはございません。
【服装】
ヨガマットを用いた仰向けの態勢になるレッスンがございます。大きな運動はいたしませんので普段着で構いませんが、皺になりやすい服、体を強く締め付ける服はお控えください。
1 体のレッスン
シンプルな動きに合わせてゆっくりと呼吸を行うことで、呼吸によって体の内側が広がってゆく感覚を掴みます。
2 息のレッスン
横になった状態で行う穏やかな呼吸が、広がった体の内側に染みわたってゆきます。
3 心のレッスン
抑揚をつけずあえて一音で平板に和歌を詠むことで、和歌そのものが持つ思いや、やまとことばの音や響き自体を味わいます。
この1~3を繰り返すことで、たおやかな体、緩やかな呼吸、穏やかな心が自分の中にあるのだという感覚を掴みます。体が緩むことによって内臓の活動がスムーズになり、深い呼吸は副交感神経の活動を促し自己免疫力を増進させます。意図的に作り出すのではなく、元々持っている人体の生命力を活性化させ、それによって生み出される音と響きの表現を味わうこと。その体験は、私たちの生涯を支える一助となるでしょう。
壱紀 樟(いつき しょう)
ピタゴラスの手 公認プラクティショナー
門前啓子発声教育研究所 認定講師
第20回池袋演劇祭
豊島新聞社賞受賞作品「皇帝ガリレオ」 出演
第9回シアターΧ国際舞台芸術祭 出演
利賀演劇人コンクール2010、2011 出演
仙台招聘公演
宮城野区文化センター開館記念事業「ロング・アゴー」 出演
現在はボディワークのプラクティショナーとして活動する傍ら、朗読劇の企画、脚本などにかかわっています。